6月の住宅ローン動向は?
つい先日、日経平均株価の終値が二万円台の大台に乗りました。いわゆるITバブル以来15年ぶりの事です。いわゆるアベノミクスの効果が市場経済にも波及してきたのでしょうか。
アメリカの経済状態の好転や中国からの日本への投資、はたまた円安ドル高など日本の経済状況は上昇傾向にあります。
先日も大卒者の就職内定率が20年前のバブル期の水準にまで戻ったといううれしいニュースも入ってきました。このままでは2020年の東京オリンピックの頃はさらなる好景気に沸いているものと今からワクワクしますね。
しかし、好景気になると当然「金利」というものも上がってきます。住宅ローンの金利も例外ではないこともあります。
つい最近まで史上最低水準の金利と言われていて絶好の借りどきとまで言われた長期固定型住宅ローン「フラット35」。
今年に入り、この金利が一気に上昇に転じました。特に3月、4月に大きく上昇しました。
多くの人が「このまま借り時は終わりか・・・」と感じたと思います。つまり、5月以降も上昇が続き、かつてのように2%台あたりにまで跳ね上がるそういうシナリオを考えていた人が多かったはずです。
しかし、5月に入ると住宅金融支援機構が発表した「フラット35」の金利は前月より0.08%程度低下しました。わずかではあるものの、実に3ヶ月ぶりの金利低下でした。
アナリストたちは「フラット35」の金利上昇は一時的なものという見方が多かったので、今月の金利動向はむしろ当然という冷静な分析が目立ちました。
ただ住宅ローンを借りている側にしてみれば不安だったので、多くの人には安堵感が漂ったものと言えると思います。
他の住宅ローンプランの金利を見ても、前月と比較して現状維持かむしろ低下傾向にあるので借りどきは続いているものと言えます。
しかし、先月までの金利の上昇は何が要因だっのでしょうか。住宅ローンの金利は長期金利の動向と密接に関わっていますので、それを分析してみます。
ちなみに「長期金利」とは国債などの債券や金融資産や負債の金利の事で、将来の物価変動や住宅ローンを見る上で非常に重要な指標となっています。これは各金融機関のホームページなどで確認する事が出来ます。
図1 2014年からの日本の長期金利の推移グラフ
これを見ますと12月に0.2%台にまで下がった後に今年に入り反発して0.4%台にまで上昇しました。「フラット35」のような住宅ローンの金利の上昇はこれによるものという判断があります。
しかし、日本国内の経済情勢を見るとこうした長期金利の上昇はいささか不透明です。円安や日経平均株価と連動しているのではいう見方も可能ですが、現在よりも平均株価が低かった去年の同時期の方が金利が高かったわけですし、その後株価などは上昇していったにも関わらず、年末にかけて長期金利は下落していきました。
なので2.3月の金利の上昇はいわば「誤差の範囲内」だったのかもしれません。特に3月は年度末ですから、そうしたことも関連しているのではという推測もできます。
ちなみに日本の金利動向とほぼ同じような動きをしている国があります。それがアメリカです。
アメリカの直近までの金利動向は以下のようになっています。
図2 2014年からの日本の長期金利の推移グラフ
日本の金利動向とよく似ているのがお分かりいただけると思います。金利動向は日本国内のみならず、海外の経済情勢にも目を向けないといけません。特に日本の場合は、アメリカの経済動向と密接に関わっていますので、先月の金利上昇はひょっとしたらアメリカに原因があったのかもしれません。
いずれにせよ、5月には低下に転じたのでフラット35をはじめ各種住宅ローンはまさに借りどきと言えます。しかも、多くのアナリストは当面は大幅な金利上昇に繋がる材料はないと判断してますので、おそらく向こう1年くらいは現在のような低水準で推移していくものと思われます。
このような低金利の時代ですので、各金融機関も新規顧客の開拓のために、金利以外にも様々なサービスを提供して住宅ローンサービスというものを行っております。
例えば新生銀行では家事代行サービスや子どもの急な病気の時のサポートサービスあるいはハウスクリーニングなど生活に密着したユニークなサービスがオプションとしてついています。
また住宅ローン大手の「SBIモーゲージ」は、今年の5月から「ARUHI」と名前を変えて、住宅ローンサービスのみならず「生活そのものをプロデュースする」というコンセプトの元事業を展開しています。例えば「ARUHIメンバーズクラブ」という組織に住宅ローンを組んだ人は加入する事が出来、そこではARUHIと提携した企業のサービスや商品を優待された会員価格で利用ないしは購入できるというものです。そのサービス内容も家電、家具、キッチン用品など多彩で、もはや住宅ローンサービスの範疇を超えています。このような展開している企業もあり、今後も熾烈な争いが展開されていくものと思われます。
このように日々の経済情勢や金利動向及び今後も続く住宅ローンの低金利時代、それに伴う各金融機関の様々なサービス、利用者は様々な視点から自身にあった住宅ローンというものを選択しないといけないのかもしれません。
住宅ローン金利比較(新規・借り換えでの適用金利)
名称 | 表面金利(%) | 優 遇 条 件 |
保証料 | 事務 手数料 |
繰上返済 手数料 (変動) |
来店 | 疾 病 保 険 |
詳細 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
変動 金利 |
10年 金利 |
20年 金利 |
||||||||
新生銀行 |
0.45 | 0.75 | 0.95 | なし ○ | なし ○ | ②契約事務手数料/保証料 借入金額がいくらでも55,000円~ ※ただし、変動金利<変動フォーカス>0.45%のみ、借入金額×2.2% | 無料 |
不要 ○ |
あり ○ | 詳細 |
住信SBIネット銀行 |
0.380 | 0.58 | 1.21 | なし ○ | なし ○ | 借入額の2.20%(税込) | 33,000円(税込) |
不要 ○ |
あり ○ | 詳細 |
りそな銀行 ※2020年3月 適用金利 |
0.429 | 0.60 | 0.90 | あり × | なし ○ | 33,000円(税込)+お借入金額×2.2% | 無料~33,000円(税込) |
不要 ○ |
あり ○ | 詳細 |
三菱UFJ銀行 |
0.475 | 0.64 | 2.84~2.99 | あり × | あり × | 33,000円(税込) | 無料~16,500円(税込) |
不要 ○ |
あり ○ | 詳細 |
優遇条件について
優遇条件がない場合、条件なく、表示金利で融資を受けることができます。
優遇条件がある場合、融資の優遇条件として「その銀行の預金口座を給与振込口座にする」「クレジットカードを作る」「投資口座を作る」などが必要 になります。
固定金利ならこちらの金融機関がおすすめ |
名称 | 金利 | 事務手数料 | 保証料 | 来店 | 金利 優遇条件 |
繰上げ 返済 |
詳細 | ||||
フラット35 | フラット35S | ||||||||||
15年以上~20年以下 | 21年以上~35年以下 | 当初5年 | 6~10年目 | 11年目以降 | |||||||
住信SBIネット銀行フラット35 |
1.03% | 1.12% | 0.78% | 0.78% | 1.03% | 借入額の0.99%(税込)~ | なし | 不要 | なし | 無料 | 詳細 |
楽天銀行フラット35 |
1.02% | 1.11% | 0.77% | 0.77% | 1.02% | 借入額の1.10% | なし | 要 | なし | 無料 | 詳細 |
ARUHI |
1.02% | 1.11% | 0.77% | 0.77% | 1.02% | 借入額の2.0% | なし | 要 | なし | 無料 | 詳細 |