自営業でも住宅ローンを借りられる?
自営業でも住宅ローンを借りられるのでしょうか?
まず、自営業でも住宅ローンを借りられるかという話題についてご紹介します。結論を先に言うと、借りられるものの、自営業は正規雇用されているサラリーマンと比べて、住宅ローンの審査が圧倒的に厳しくなります。このことには、次の2つの理由があります。
第1の理由は、自営業は、サラリーマンと比較すると、収入が不安定で、信頼性が低いと判断されるからです。つまり、自営業は、突然収入が激減するリスクがありますし、病気にかかって少しの間働かなければ無収入になってしまいますし、雇用保険を払っていないため失業手当もないのです。
第2の理由は、自営業は所得を低く抑えるということです。住宅ローンが申し込まれると、銀行は税務署に届け出られている所得に基づき、返済能力の有無を審査しますが、自営業者の場合、節税対策のため、実際の所得より低く申告していることが多いのです。しかし、所得を低く申告すると、住宅ローンを融資されにくくなります。
しかし、自営業について住宅ローンの審査が厳しいということは、借りられる場合があることをも意味します。
最も重要な審査基準~所得基準
住宅ローンの審査基準の中でも最も大切なのは、所得基準です。例えばイオン銀行は、自営業を意味する個人事業主が住宅ローンを利用できるためには、前年度の所得が100万円以上であることを要件としています。またJA徳島も、自営業者に住宅ローンの融資を認める要件として前年度税引所得が200万円以上あることを定めています。
審査基準その(2)~返済比率
また、住宅ローンの審査基準としては、返済比率(返済能力)も大切です。返済比率とは「1年間のローンの返済金額が年収に占める比率」という意味です。この「1年間のローンの返済金額」には住宅ローンに加えて、その他のローンも含まれます。そして、この返済比率は、年収300万円未満が25%です。しかし、自営業の方の場合、返済比率が25%を超えることを理由として、住宅ローンの融資を認められないことも時々あります。それは、自営業の方は事業資金を融資でまかなっていることや、消費者ローンや自動車ローンを組んでいることも多いからです。
したがって、自営業の方が住宅ローンの融資をお受けになりたいならば、その他のローンは可能な限り完済することによって、返済比率を低くすることがお勧めです。
審査基準その(3)~国民健康保険や、年金、住民税の滞納の有無
さらに、住宅ローンの審査に際しては「国民健康保険や、年金、住民税を滞納していないか?」も見られます。このような滞納がある人により高額の住宅ローンを貸すと、不良債権化するリスクがあるからです。しかし、自営業者の方は、ともすれば国民健康保険や国民年金を滞納してしまいがちですので、このことを理由に住宅ローンの融資を認められないこともあります。自営業でも住宅ローンを借りられる条件~その(1)頭金を多く用意しておく
しかし、自営業でも住宅ローンの審査に通る条件はまだ残されています。その第一は、頭金を多く用意しておくことです。例えば、極端な話、5000万円の物件を購入する際に4900万円を頭金で用意していれば、低収入でも、返済比率が高くても、金融機関は融資してくれる筈です。そして、自営業の場合、頭金は20%~30%用意しておくことが望ましいとされています。
自営業でも住宅ローンを借りられる条件~その(2)フラット35を利用する
そして、頭金を多く用意しておくこと以外にも、自営業でも住宅ローンを借りられる条件はあります。それはフラット35を利用することです。フラット35は、35年間固定金利が続くことからこのように呼ばれています。そしてフラット35は、政府関連機関である「住宅金融支援機構」によって展開されているので、民間金融機関が提供する住宅ローンより、審査が甘いと言われています。より正確に言うと、フラット35では、年収に占める全ての借入れの年間合計返済額の割合(総返済負担率)が、以下にご説明するように、民間金融機関から住宅ローンを借りる際の返済比率より高いのです。
・まず、年収400万円未満の場合には、住宅ローンを含む全てのローンの年間返済額は30%以下です。
つまり、例えば年収が300万円の方なら、年間返済負担額は30%の90万円となるので、35年で合計3150万円が借入限度額となります。
・次に、年収400万円以上の場合には、 住宅ローンを含む全てのローンの年間返済額は35%以下です。つまり、例えば年収が500万円の方なら、年間返済負担額は35%の175万円となるので、35年で合計6150万円が借入限度額となります。
そして、フラット35の審査に際しては、上記の年収を基にした総返済負担率だけが基準とされますので、自営業でも公務員やサラリーマンと同一の条件で扱われます。このため、フラット35は自営業の方にお勧めの住宅ローンなのです。
住宅ローン金利比較(新規・借り換えでの適用金利)
名称 | 表面金利(%) | 優 遇 条 件 |
保証料 | 事務 手数料 |
繰上返済 手数料 (変動) |
来店 | 疾 病 保 険 |
詳細 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
変動 金利 |
10年 金利 |
20年 金利 |
||||||||
新生銀行 |
0.45 | 0.75 | 0.95 | なし ○ | なし ○ | ②契約事務手数料/保証料 借入金額がいくらでも55,000円~ ※ただし、変動金利<変動フォーカス>0.45%のみ、借入金額×2.2% | 無料 |
不要 ○ |
あり ○ | 詳細 |
住信SBIネット銀行 |
0.380 | 0.58 | 1.21 | なし ○ | なし ○ | 借入額の2.20%(税込) | 33,000円(税込) |
不要 ○ |
あり ○ | 詳細 |
りそな銀行 ※2020年3月 適用金利 |
0.429 | 0.60 | 0.90 | あり × | なし ○ | 33,000円(税込)+お借入金額×2.2% | 無料~33,000円(税込) |
不要 ○ |
あり ○ | 詳細 |
三菱UFJ銀行 |
0.475 | 0.64 | 2.84~2.99 | あり × | あり × | 33,000円(税込) | 無料~16,500円(税込) |
不要 ○ |
あり ○ | 詳細 |
×
優遇条件について
優遇条件がない場合、条件なく、表示金利で融資を受けることができます。
優遇条件がある場合、融資の優遇条件として「その銀行の預金口座を給与振込口座にする」「クレジットカードを作る」「投資口座を作る」などが必要 になります。
固定金利ならこちらの金融機関がおすすめ |
名称 | 金利 | 事務手数料 | 保証料 | 来店 | 金利 優遇条件 |
繰上げ 返済 |
詳細 | ||||
フラット35 | フラット35S | ||||||||||
15年以上~20年以下 | 21年以上~35年以下 | 当初5年 | 6~10年目 | 11年目以降 | |||||||
住信SBIネット銀行フラット35 |
1.03% | 1.12% | 0.78% | 0.78% | 1.03% | 借入額の0.99%(税込)~ | なし | 不要 | なし | 無料 | 詳細 |
楽天銀行フラット35 |
1.02% | 1.11% | 0.77% | 0.77% | 1.02% | 借入額の1.10% | なし | 要 | なし | 無料 | 詳細 |
ARUHI |
1.02% | 1.11% | 0.77% | 0.77% | 1.02% | 借入額の2.0% | なし | 要 | なし | 無料 | 詳細 |