住宅ローンのトレンドとは
金利上昇?変わるローン選びのトレンド
長期金利の代表的な指標である10年物国債の利回りが緩やかに上昇しています。こうした動きは、金融機関の住宅ローン金利に影響を与えます。住宅ローン選びは、住宅選び同様将来の人生設計にも大きく影響を与えるもの。住宅金融支援機構が5月に実施した住宅ローン利用に関するアンケート調査をもとに、これからの住宅ローン選びについて考えてみたいと思います。
住宅金融支援機構から、住宅ローン利用に関するアンケート調査が発表されました。対象は平成18年4月1日から平成19年4月30日で居住用の新規の住宅ローンを組まれた20歳から60歳の方です。利用した住宅ローンやローン選びに関する事項に対する回答が集計されており、これから住宅ローンを組まれる方にとって参考になるデータです。
住宅ローンの金利タイプは、大きく分けて3つあります。
・変動型…市中金利(主に短期プライムレート)の状況に応じて金利が変わっていく住宅ローン。金利は年に2回見直されます。
・全期間固定型…返済完了までの間、金利が固定されます。金利が上昇していったとしても返済額が変わらないというメリットがあります。
・固定期間選択型…2年間、3年間、5年間など一定の期間だけ金利が固定されるタイプです。その後は、変動金利に移行する場合や固定金利と変動金利を選択できるタイプなどローンによってタイプが分かれます。
アンケートによると最も多い住宅ローンの金利タイプが固定期間選択型で全体の56.1%、次いで全期間固定型で29.4%、変動型が14.6%となっています。固定金利の場合のメリットとして、金利が固定され市場金利の変化に影響されないというメリットがあります。変動金利の場合は、金利が上がれば負担額は増えますが、逆に金利が下がれば負担額が減るというメリットがあります。
上記の借入時期別の住宅ローン金利タイプのアンケート結果を見ると、4月に入って大きく全期間固定型を使った人の比率が上昇しているのが分かります。固定期間選択型の比率は減少し、変動型を利用した方の比率はやや上昇しています。
今年に入って、短期金利が上昇し固定期間選択型の金利が上昇したことが一つの要因だと思います。金利上昇の返済リスクを避けた人は、全期間固定型へ、金利負担の減少を意図した方は、変動型へとシフトしたのでしょう。
金利タイプごとの当初借入利率は、変動型で1%から1.5%未満が最も多く、固定期間選択型が、2%~2.5%未満、全期間固定型が2.5%~3%未満が多くなっています。
ローンを組む際に、それぞれの返済リスクの許容度に応じて選択するローンも変わっているようです。
住宅ローンを選ぶ決め手として、最も高かったのは「金利水準が低かったこと」、次に「優遇金利があるなど当初金利が低かったこと」。金利の安さがローン選びの決め手になっています。
次に、多かったのが「住宅・販売事業者の勧めがあったから」。住宅ローンの相談者としての販売会社の役割の大きさが伺えます。住宅ローンを決定した際に影響の大きかった媒体のトップは、住宅・販売事業者からの情報になっています。
また、繰上げ返済のしやすさや1つのローンで借入できたからも高いポイントになっています。繰上げ返済の手数料の有無も含め、ローンによってかかる費用も様々です。こうした点も、ローン選びの際に大事にしたい視点でしょう。
住宅ローン金利比較(新規・借り換えでの適用金利)
名称 | 表面金利(%) | 優 遇 条 件 |
保証料 | 事務 手数料 |
繰上返済 手数料 (変動) |
来店 | 疾 病 保 険 |
詳細 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
変動 金利 |
10年 金利 |
20年 金利 |
||||||||
新生銀行 |
0.45 | 0.75 | 0.95 | なし ○ | なし ○ | ②契約事務手数料/保証料 借入金額がいくらでも55,000円~ ※ただし、変動金利<変動フォーカス>0.45%のみ、借入金額×2.2% | 無料 |
不要 ○ |
あり ○ | 詳細 |
住信SBIネット銀行 |
0.380 | 0.58 | 1.21 | なし ○ | なし ○ | 借入額の2.20%(税込) | 33,000円(税込) |
不要 ○ |
あり ○ | 詳細 |
りそな銀行 ※2020年3月 適用金利 |
0.429 | 0.60 | 0.90 | あり × | なし ○ | 33,000円(税込)+お借入金額×2.2% | 無料~33,000円(税込) |
不要 ○ |
あり ○ | 詳細 |
三菱UFJ銀行 |
0.475 | 0.64 | 2.84~2.99 | あり × | あり × | 33,000円(税込) | 無料~16,500円(税込) |
不要 ○ |
あり ○ | 詳細 |
×
優遇条件について
優遇条件がない場合、条件なく、表示金利で融資を受けることができます。
優遇条件がある場合、融資の優遇条件として「その銀行の預金口座を給与振込口座にする」「クレジットカードを作る」「投資口座を作る」などが必要 になります。
固定金利ならこちらの金融機関がおすすめ |
名称 | 金利 | 事務手数料 | 保証料 | 来店 | 金利 優遇条件 |
繰上げ 返済 |
詳細 | ||||
フラット35 | フラット35S | ||||||||||
15年以上~20年以下 | 21年以上~35年以下 | 当初5年 | 6~10年目 | 11年目以降 | |||||||
住信SBIネット銀行フラット35 |
1.03% | 1.12% | 0.78% | 0.78% | 1.03% | 借入額の0.99%(税込)~ | なし | 不要 | なし | 無料 | 詳細 |
楽天銀行フラット35 |
1.02% | 1.11% | 0.77% | 0.77% | 1.02% | 借入額の1.10% | なし | 要 | なし | 無料 | 詳細 |
ARUHI |
1.02% | 1.11% | 0.77% | 0.77% | 1.02% | 借入額の2.0% | なし | 要 | なし | 無料 | 詳細 |