ふるさと納税と住宅ローン控除は同時に使える?
ふるさと納税は「誰でも節税ができる! いろんな特産品がもらえる」と話題ですが、住宅ローン控除との掛け合いはできるのでしょうか?この記事では、この話題について、ご解説します。
結論を先に言うと、掛け合いはできます。しかし、その理由をご解説するためには、ふるさと納税と住宅ローン控除それぞれについてご説明した方が分かりやすいのであろうと思われます。
1.ふるさと納税について
まず、ふるさと納税についてご説明します。
ふるさと納税は、寄付金控除の一種です。なぜならば、ふるさと納税は、個人が自治体に2,000円を超える寄付を行ったときに、住民税の約20%程度が還付・控除される制度だからです。そして、寄付金控除は、扶養控除や生命保険料控除などと同じく、所得控除の一種です。
したがって、ふるさと納税をした場合には、所得の額から寄付金控除つまりふるさと納税を含む所得控除の合計をマイナスしたのち、税率をかけて一度所得税の額を算出して、そこから税額控除を差し引くのです。
しかし、ここで重要なのは、この税額控除の中に、住宅借入金等特別控除も含まれるのですが、この住宅借入金等特別控除とは、住宅ローン控除のことなのです。つまり、ふるさと納税と住宅ローン控除は、本質的に違う制度なので両方使えます。ただ、この点について更によく理解するためには、住宅ローン控除についてご説明した方がよいと思いますが、この説明は2.で行わせていただきます。
2.住宅ローン控除について
住宅ローン控除とは、居住者が住宅ローンを利用して、マイホームを新築、取得または増改築(以下「取得等」と言います。)して、平成29年12月31日までに自己が居住するために使った場合で一定の要件をクリアする場合に、その取得等に関係する住宅ローン等の年末残高の合計額をベースとして計算した金額が、住むために使い始めた年分以降の各年分の所得税額から控除される制度です。
つまり、住宅ローン控除によって控除されるのはまず所得税でして、この点で既に、住民税が控除されるふるさと納税とは違うのです。したがって、住宅ローン控除とふるさと納税は違う税金が控除されるので、両方使えます。
さらに、住宅ローン控除の適用を受けられるための手続きも、ふるさと納税で住民税が控除されるまでの手続きとは違います。
つまり、住宅ローン控除が認められるためには、必要事項を記載した確定申告書に、法律で定められた数種類の書類を添付して、納税地(原則的にはお住まいになっている地域)を管轄する税務署長に提出する必要があります。ただし、給与所得者つまりサラリーマンは、確定申告をした年分の翌年以降の年末以降の年分については、年末調整するだけで住宅ローン控除の適用を受けられます。
したがって、サラリーマンの場合、住宅ローン控除を受けるためには初年度だけ確定申告が必要で、2回目以降は年末調整だけが必要なのですが、これに対して、ふるさと納税で確定申告が不要になるためには、一定の条件を満たしていなければなりません。この一定の条件については、3.でご紹介します。
3.ふるさと納税で確定申告が不要になる条件
ふるさと納税で確定申告が不要になる条件は、以下の通りです。
1)2015年1月1日~3月31日までの間にふるさと納税を行っていないこと。
2)2015年4月1日以降にふるさと納税をしていること。
3)住宅ローン控除の初年度、賃料収入など、ふるさと納税以外の要件で確定申告の必要がないこと。
4)ふるさと納税の納付先自治体が5つ以下であること。
つまり、住宅ローンが初年度であるサラリーマンは、まず住宅ローンについて確定申告していない限り、ふるさと納税で確定申告をしなければならないのです。しかし、これを逆に言うと、サラリーマンが住宅ローンについて初年度に確定申告をしておくと、2年目以降は1)2)4)の条件をクリアしている限り、ふるさと納税について確定申告をする必要はありません。
そして、ふるさと納税の手続きは簡単です。つまり、上の1)~4)の要件を満たす場合、寄付先の自治体にあらかじめ「ワンストップ特例制度申請書」を送付するだけで、お住まいの市区町村に控除申請の要請を代行でき、自動的に住民税を減らせるのです。また、「ワンストップ特例制度申請書」は自治体のサイトからダウンロードできますが、自治体から郵送してもらうこともできます。つまり、ふるさと納税の窓口は自治体ですので、この点でも、住宅ローン控除の窓口が税務署であることとは違います。
4.かえって損になる場合もある!?
1.から3.までご説明したように、住宅ローン控除とふるさと納税は性質や手続きが違いますから、あわせて使えます。しかし、一つご注意しなければならないことがあります。それは、住宅ローン控除とふるさと納税をあわせて使うと、かえって損になる場合があるということです。
その場合とは、住宅ローン控除によって住民税所得割が残っていない場合です。この場合、ふるさと納税をしても寄付金控除で差し引く住民税がないので、単なる寄付になってしまい、住民税の減額を受けられなくなるのです。なぜこのような現象が起こるかと言いますと、住民税の場合、寄付金控除よりも先に住宅ローン控除が引かれるからです。
したがって、住宅ローン控除によって住民税所得割が残っていない方には、ふるさと納税はお勧めできません。
住宅ローン金利比較(新規・借り換えでの適用金利)
名称 | 表面金利(%) | 優 遇 条 件 |
保証料 | 事務 手数料 |
繰上返済 手数料 (変動) |
来店 | 疾 病 保 険 |
詳細 | ||
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変動 金利 |
10年 金利 |
20年 金利 |
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新生銀行 |
0.45 | 0.75 | 0.95 | なし ○ | なし ○ | ②契約事務手数料/保証料 借入金額がいくらでも55,000円~ ※ただし、変動金利<変動フォーカス>0.45%のみ、借入金額×2.2% | 無料 |
不要 ○ |
あり ○ | 詳細 |
住信SBIネット銀行 |
0.380 | 0.58 | 1.21 | なし ○ | なし ○ | 借入額の2.20%(税込) | 33,000円(税込) |
不要 ○ |
あり ○ | 詳細 |
りそな銀行 ※2020年3月 適用金利 |
0.429 | 0.60 | 0.90 | あり × | なし ○ | 33,000円(税込)+お借入金額×2.2% | 無料~33,000円(税込) |
不要 ○ |
あり ○ | 詳細 |
三菱UFJ銀行 |
0.475 | 0.64 | 2.84~2.99 | あり × | あり × | 33,000円(税込) | 無料~16,500円(税込) |
不要 ○ |
あり ○ | 詳細 |
優遇条件について
優遇条件がない場合、条件なく、表示金利で融資を受けることができます。
優遇条件がある場合、融資の優遇条件として「その銀行の預金口座を給与振込口座にする」「クレジットカードを作る」「投資口座を作る」などが必要 になります。
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名称 | 金利 | 事務手数料 | 保証料 | 来店 | 金利 優遇条件 |
繰上げ 返済 |
詳細 | ||||
フラット35 | フラット35S | ||||||||||
15年以上~20年以下 | 21年以上~35年以下 | 当初5年 | 6~10年目 | 11年目以降 | |||||||
住信SBIネット銀行フラット35 |
1.03% | 1.12% | 0.78% | 0.78% | 1.03% | 借入額の0.99%(税込)~ | なし | 不要 | なし | 無料 | 詳細 |
楽天銀行フラット35 |
1.02% | 1.11% | 0.77% | 0.77% | 1.02% | 借入額の1.10% | なし | 要 | なし | 無料 | 詳細 |
ARUHI |
1.02% | 1.11% | 0.77% | 0.77% | 1.02% | 借入額の2.0% | なし | 要 | なし | 無料 | 詳細 |