住宅ローンとその他ローンの繰上げ返済の順番
1.自動車ローンやカードローンの支払い延滞があると、住宅ローンの審査に落ちやすいのです!
まず最初にはっきりとご紹介しなければならないことがあります。それは、自動車ローンやカードローンの支払い延滞があると、住宅ローンの審査に落ちやすいということです。
住宅ローンを借りることは、言うまでもなく、お金、それも1000万を超える巨額を借りることです。したがって、住宅ローンよりは小額になりがちの自動車ローンやカードローンの支払いを延滞させる人が、住宅ローンを返すのは不可能に近いのです。しかるに、銀行は金融機関、つまりお金を貸して手数料を取ったり利子を付けて返してもらって利潤を生み出している組織なのです。したがって、銀行が、自動車ローンやカードローンの支払いを延滞させるような支払能力の低い人に住宅ローンを貸すことは、想定しづらいのです。さらに、もし銀行のローン貸し出し責任者が、住宅ローンを申し込んだ人の支払能力が低いことを知りつつ、その人に利益を与える目的で住宅ローンを貸し、実際に支払不能になって銀行に損害を与えたら、会社法第960条第1項第7号の特別背任罪が成立し、最悪の場合「懲役10年と罰金1000万円」という重い刑を科されます。また、そのように支払い能力が低い人が、銀行のローン貸し出し責任者と合意の上で、銀行に損害を与える目的で、住宅ローンを申し込み、実際に貸し出され、支払い不能になって銀行に損害を与えたら、その人にも会社法第960条第1項第7号の特別背任罪の共謀共同正犯が成立し、銀行の貸し出し担当者と同じく、最悪の場合「懲役10年と罰金1000万円」の刑を科されます(刑法第60条・第65条)。
2.住宅ローンを申し込まれたりご完済される前に、自動車ローンやカードローンを返すのがお得です!
1.でご解説したように、自動車ローンやカードローンの支払い延滞があると、住宅ローンの審査に落ちやすいのです。したがって、自動車ローンやカードローンをお借りの場合には、これらのローンを、住宅ローンにお申し込みになる前に、完済されていた方が住宅ローンの審査に通りやすくなります。つまり、自動車ローンやカードローンを、住宅ローンへのお申し込みより先に返すことがお得です。
もっとも、自動車ローンやカードローンを借りていても、その額が小さければ、住宅ローンの審査に通る可能性はあります。しかし、この場合でも、自動車ローンやカードローンを完済するとお得です。なぜなら、自動車ローンやカードローンの額は、住宅ローンの額よりも一般的には小さいですから、より完済しやすいからです。
3.借り入れ金額の少ないローンから返すとおお得です!
2.でご解説したように、住宅ローンを申し込まれたりご完済される前に、自動車ローンやカードローンを返すとお得です。しかしそれでは、住宅ローン以外のローンのうち、どのローンから返済したらよいのでょうか?
一般に銀行が住宅ローンの審査を行う際には、基本的に借り入れ金額から審査を行うととともに、借り入れ件数が多く借り入れ金額も行わない場合には審査そのものを行わないとされています。具体的には、100万円以上のローンを3件以上の合計で組んでいるとNGだそうです。
したがって、例えば総額100万円借りていて、その内訳は10万円、40万円、50万円という3件のローンの場合には、10万円といった小額のローンは完済しておくとお得です。ですから、すごく一般的に言いますと、カードローンの方が自動車ローンより10万円以下である確率が高いですから、カードローンを自動車ローンより先に完済するとお得です。
4.繰上げ返済をすると、実際にどれくらいの違いがでるのかについてのシュミレーション
3.でご解説したように、住宅ローンの他に自動車ローンやカードローンのような他のローンを借りていた場合には、他のローンより借り入れ金額の少ないローンから返すのがお勧めです。しかしそれでは、このようなケースにあてはまる人が、住宅ローンの繰上げ返済をすると、しない場合とでは実際にどれくらいの違いがでるのでしょうか?ここではこの話題についてシュミレーションします。
まず、借りた住宅ローンの条件は、できるだけ単純なものにして、2000万円を元利均等返済で、返済期間は35年、金利タイプは固定金利で全期間2.000%とします。なお、融資手数料と保証料金は0円とします。
また、繰上げ返済の予定は10年後、繰上げ返済の予定額は100万円、繰上後の返済は期間短縮型とします。なお、繰上返済手数料は0円とします。
■ 繰上げ返済をしない場合
第一に、繰上げ返済をしない場合には、金利は66,252円で、総返済額は27,825,861円です。
■ 繰上げ返済をした場合
第二に、繰上げ返済をした場合には、総支払額は27,219,354円です。繰上金額は983,541円です。返済期間は33年と、2年短縮されます。そして、繰上前と繰上後との利息軽減額は606,507円です。こんなに利息が軽減できるとは、正直のことを言うと驚いています。
おわりに
以上の通りこの記事では、住宅ローンの他に、自動車のローンやカードローンといった他のローンを組んでいた場合、どのローンから返済するとお得になるのかという話題について、実際にどれぐらいの違いが出るのか、シュミレーションしながらご解説しました。住宅ローンの新規借り入れ、借り換え、または繰り上げ返済をしようかと検討されている方のご参考になれば幸いです。
Tags: 審査
住宅ローン金利比較(新規・借り換えでの適用金利)
名称 | 表面金利(%) | 優 遇 条 件 |
保証料 | 事務 手数料 |
繰上返済 手数料 (変動) |
来店 | 疾 病 保 険 |
詳細 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
変動 金利 |
10年 金利 |
20年 金利 |
||||||||
新生銀行 |
0.45 | 0.75 | 0.95 | なし ○ | なし ○ | ②契約事務手数料/保証料 借入金額がいくらでも55,000円~ ※ただし、変動金利<変動フォーカス>0.45%のみ、借入金額×2.2% | 無料 |
不要 ○ |
あり ○ | 詳細 |
住信SBIネット銀行 |
0.380 | 0.58 | 1.21 | なし ○ | なし ○ | 借入額の2.20%(税込) | 33,000円(税込) |
不要 ○ |
あり ○ | 詳細 |
りそな銀行 ※2020年3月 適用金利 |
0.429 | 0.60 | 0.90 | あり × | なし ○ | 33,000円(税込)+お借入金額×2.2% | 無料~33,000円(税込) |
不要 ○ |
あり ○ | 詳細 |
三菱UFJ銀行 |
0.475 | 0.64 | 2.84~2.99 | あり × | あり × | 33,000円(税込) | 無料~16,500円(税込) |
不要 ○ |
あり ○ | 詳細 |
優遇条件について
優遇条件がない場合、条件なく、表示金利で融資を受けることができます。
優遇条件がある場合、融資の優遇条件として「その銀行の預金口座を給与振込口座にする」「クレジットカードを作る」「投資口座を作る」などが必要 になります。
固定金利ならこちらの金融機関がおすすめ |
名称 | 金利 | 事務手数料 | 保証料 | 来店 | 金利 優遇条件 |
繰上げ 返済 |
詳細 | ||||
フラット35 | フラット35S | ||||||||||
15年以上~20年以下 | 21年以上~35年以下 | 当初5年 | 6~10年目 | 11年目以降 | |||||||
住信SBIネット銀行フラット35 |
1.03% | 1.12% | 0.78% | 0.78% | 1.03% | 借入額の0.99%(税込)~ | なし | 不要 | なし | 無料 | 詳細 |
楽天銀行フラット35 |
1.02% | 1.11% | 0.77% | 0.77% | 1.02% | 借入額の1.10% | なし | 要 | なし | 無料 | 詳細 |
ARUHI |
1.02% | 1.11% | 0.77% | 0.77% | 1.02% | 借入額の2.0% | なし | 要 | なし | 無料 | 詳細 |