ボーナス併用払いのメリット・デメリット
ボーナス返済を効率的に行うには
住宅ローンでは、ボーナス払いを行うかどうかで返済の負担が大きく異なります。とはいえ、バブル崩壊以後景気が上向きになることは何度かありましたが完全に復活したわけではない日本でボーナスを必ず支給する企業ばかりではありません。
ですから、ボーナス払いをあるものとして組み入れることはリスクがあります。
それを踏まえた上で、効率的にボーナス払いをするためには、どうすればよいのかというとポイントは金利の設定です。
住宅ローンの金利では大別すると「元利均等返済」と「元金均等返済」があります。
・元利均等返済
返済額は返済期間を通じて一定です。
しかし、内容を見ると返済開始当初は利息負担分が大きく元金が少ないのですが、徐々に元金の負担率が増えていき最終的には元金の負担が大部分を占めることになります。
ずっと一定額なので長期的な返済計画が建てやすい方法です。
・元金均等返済
元金と利息を最初は均等に返済します。
元金を返していけばそれだけ利息が減るので最終的にはほとんど元金に近い額の返済となります。
最初の返済負担は大きいですが、徐々に返済負担が減るので将来的には家計も楽です。
元利金等返済も元金均等返済のほうが元金の返済が早く行えるので総返済額がお得です。
しかし、月々の負担を考えれば一定額の返済で行える元利金等返済は月々の返済負担は少ないといえます。
ここでボーナス払いをどちらで行うことが効率的かと考えると、元金均等返済は元金を着実減らすことが出来ますが、元利金等返済は利息の割合が大きいのでなかなか元金を減らすことが出来ません。
ですから元金を減らす効果が高いといえるのは、元利金等返済です。
ボーナス払いを何度も繰り返していけば、元金金利返済の総返済額と大差な額に減らすことも可能です。
ボーナス返済のデメリット
住宅ローンのボーナス払いで考えられるメリットは、次のようなものがあります。【ボーナスの不確実性】
給料は労働内容や労働に従事した日数に応じて支給される報酬ですが、ボーナスは賞与というようにはあくまでも業績が上向きである場合にその功に報いるために会社が支給する報酬です。
それゆえに業績が不振であればボーナスが減額されたり支給されないこともありえます。
たとえ、今年支給されたとしても来年支給されるという保証はありません。
【総返済額の増加】
ボーナスがあることを前提として返済計画に組み込むと年間の支払額が同じだとしても、総返済額がボーナス払いのほうが多くなります。これはボーナスであれば一般的に半年に一度の支給ということですから、元金を大きく減らすことが出来るのも半年に一度です。
ボーナスの金額分を月払いにしていれば月々元金を減らすことが出来る分利息を節約できますが、半年に一度では元金が一定に変化がないために月払いよりも利息を多く支払うことになります。
【貯蓄の減少】
ボーナスで返済額を減らすことは出来るかもしれませんが、生活で大金が必要となることは住宅ローンだけではありません。
例えば大病をして手術・入院費の支払いをしなければならないとなれば、数十万円数百万円の出費となります。
ところがボーナスの大半を住宅ローンの返済に充ててしまえば、貯蓄に回せるお金がなく資金繰りに困ります。
子供がいれば教育費などもかかりますの、子供の将来にも影響が及びます。
収入や家族構成などは世帯ごとに異なるので、ボーナス払いが必ずしもデメリットがあるとは限りませんが、もしデメリットがあるようであればボーナス払いにこだわるのではなく毎月払いだけにする、あるいはボーナス払いの比率を一定に抑えることをお勧めします。
くれぐれも、ボーナス払いに頼ることは危険です。
ボーナス返済ケーススタディ
住宅ローンでボーナス払いをする場合、しない場合と比べてどれだけ返済の負担が変わるのか例を挙げてみていきます。年齢32歳で年収が480万円、既婚で子が一人の世帯で3000万円のマンションを購入したとします。
住宅ローンの頭金に関する調査では100万円以上から1000万円未満が大半なので500万円とします。
標準金利を2.6%で返済方式は元利金等方式、返済期間は30年です。
もし、ボーナスなしで返済するとなれば月々の返済額は10万84円となり年間の返済額は120万1008円、総返済額は3603万240円となります。
では、ボーナス払いがあるとすれば、どれだけ費用が変わるのか、ボーナス払いで400万円分を返済したとして月々の返済額は8万4071円となりボーナス月は18万495円となります。すると年間の費用は120万1700円、総返済額では3605万1千円です。
つまり月々の返済額でいえば基本の月が1万6013円少ないですがボーナス月は8万441円の負担増、年間の返済額は692円の負担増、総返済額では20760円の負担増ということになります。
返済のしやすさということでいえば、月々の返済額が少ないボーナス払いありの方がしやすいです。
しかしながら、30年という期間で見ればボーナス払いは多く支払うので損です。
ただ、月々の返済負担が減ればそれだけ家計が楽になり食費や子供の教育費、貯蓄にお金を回しやすくなります。
それに増えるとしても数十万円、数百万円という大金ではなく一年で1000円未満、合計しても数万円の範囲で収まります。
苦しい返済をするくらいならば、その程度の出費は耐えることが出来る方も少なくありません。
ただ返済額が増える、減るというだけでは大事のように感じますが、このように数値で見ればまた印象が変わることがあります。住宅ローンの利用では、より具体的な返済計画を見て条件を検討することをお勧めします。
住宅ローン金利比較(新規・借り換えでの適用金利)
名称 | 表面金利(%) | 優 遇 条 件 |
保証料 | 事務 手数料 |
繰上返済 手数料 (変動) |
来店 | 疾 病 保 険 |
詳細 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
変動 金利 |
10年 金利 |
20年 金利 |
||||||||
新生銀行 |
0.45 | 0.75 | 0.95 | なし ○ | なし ○ | ②契約事務手数料/保証料 借入金額がいくらでも55,000円~ ※ただし、変動金利<変動フォーカス>0.45%のみ、借入金額×2.2% | 無料 |
不要 ○ |
あり ○ | 詳細 |
住信SBIネット銀行 |
0.380 | 0.58 | 1.21 | なし ○ | なし ○ | 借入額の2.20%(税込) | 33,000円(税込) |
不要 ○ |
あり ○ | 詳細 |
りそな銀行 ※2020年3月 適用金利 |
0.429 | 0.60 | 0.90 | あり × | なし ○ | 33,000円(税込)+お借入金額×2.2% | 無料~33,000円(税込) |
不要 ○ |
あり ○ | 詳細 |
三菱UFJ銀行 |
0.475 | 0.64 | 2.84~2.99 | あり × | あり × | 33,000円(税込) | 無料~16,500円(税込) |
不要 ○ |
あり ○ | 詳細 |
×
優遇条件について
優遇条件がない場合、条件なく、表示金利で融資を受けることができます。
優遇条件がある場合、融資の優遇条件として「その銀行の預金口座を給与振込口座にする」「クレジットカードを作る」「投資口座を作る」などが必要 になります。
固定金利ならこちらの金融機関がおすすめ |
名称 | 金利 | 事務手数料 | 保証料 | 来店 | 金利 優遇条件 |
繰上げ 返済 |
詳細 | ||||
フラット35 | フラット35S | ||||||||||
15年以上~20年以下 | 21年以上~35年以下 | 当初5年 | 6~10年目 | 11年目以降 | |||||||
住信SBIネット銀行フラット35 |
1.03% | 1.12% | 0.78% | 0.78% | 1.03% | 借入額の0.99%(税込)~ | なし | 不要 | なし | 無料 | 詳細 |
楽天銀行フラット35 |
1.02% | 1.11% | 0.77% | 0.77% | 1.02% | 借入額の1.10% | なし | 要 | なし | 無料 | 詳細 |
ARUHI |
1.02% | 1.11% | 0.77% | 0.77% | 1.02% | 借入額の2.0% | なし | 要 | なし | 無料 | 詳細 |