繰り上げ返済の体験談
期間短縮型タイプ!レポート
~繰上げ返済の「期間短縮型」とは?~繰り上げ返済における「期間短縮型」とは、期間短縮型の繰上げ返済を行うと、毎月の返済額はそのままで、返済期間が短縮されるタイプです。繰り上げ返済で返済した金額は、基本的に全額元金部分に充当され、返済期間が短くなる分、その間の利払いも解消されます。住宅ローンを借り入れてから早い時期に繰り上げ返済を行うと、金利を大幅にカットでき、総返済額を大きく減額させることができます。
ただし、注意すべき点もあります。住宅借入金特別控除(住宅ローン減税・住宅ローン控除)を受けている場合、返済期間が10年以上という要件があり、繰上げ返済によって返済期間が10年未満になり特別控除の対象から外されないように、注意する必要があります。
~「期間短縮型」タイプの体験談をレポートします。~
あるサラリーマンのご夫妻は、住宅金融支援機構の35年ローン「フラット35」を組みました。ローンの支払いは、ご主人の毎月の給与からと年2回のボーナスからの支払いです。しかし、給与はさておきボーナスは会社の業績しだいでは減額されることもあります。さらに、ご主人の年齢は35歳。このままでは、ローンの返済を終えるのは70歳になってしまいます。60歳の定年を過ぎてからの年金生活に入ってからも、10年間にわたってローンに縛られるのは忍びないと思った奥さんが、ご主人に期間短縮型の繰上げ返済を提案しました。
ご主人も快く賛同してくださり、ご夫妻は、繰上げ返済することを決断しました。奥さんはコツコツと繰り上げ資金を貯めることにしました。
結局毎年100万円ずつ繰り上げ返済することにしました。それは「フラット35」が繰り上げ返済の1回の最低返済額が100万円からとなっているためです。月々8万円弱ずつ貯めていくのは大変でしたが、そこは、ご主人のお小遣い、月々の家族の娯楽費、その他削れるべきところはとことん削りました。また、奥さんもパートに出て家計を補助しました。
いよいよ初めての金融機関での繰り上げ返済の機会が来ました。手持ち資金から今後必要な資金を引いた余裕資金を確認し、その金融機関の繰上げ返済にかかる手数料並びに返済窓口の確認をしました。
そして当日、金融機関に出向き、繰上げ返済の申し出をして申請書を提出。受理されると、繰り上げ返済資金の100万円を入金しました。
毎年、この繰上げ返済を繰り返すことで、最終的な返済額はかなり軽減されることになります。このご夫妻は、ローンの早期返済完了を目指して、これからも奮闘することでしょう。
返済額軽減タイプ!レポート
~繰上げ返済の「返済額軽減型」とは?~繰り上げ返済における「返済額軽減型」とは、返済期間はそのままで変わりませんが、月々の返済額を減額させるタイプです。「返済額軽減型」は「期間短縮型」に比べ、利息軽減効果は少ないですが、月々のローンの返済額を厳しく感じる場合や、将来の教育費他の負担増に備え家計のキャッシュフローを調節したい方、収入が減少してしまった方、あるいは将来の収入減に備えたい方などにおすすめです。尚、繰上げ返済に掛かる手数料は「期間短縮型」よりも、この「返済額軽減型」のほうが一般的に高いケースが多く見られます。同額の住宅ローンを借りた場合は、「期間短縮型」のほうが最終的な返済額は少なく済むケースが多いようです。
~「返済額軽減型」タイプの体験談をレポートします。~
あるご夫妻が、一戸建て住宅を30年の住宅ローンで購入しました。そのご夫妻には育ち盛りの小学生の2人のお子さんがいらっしゃいます。学校の部活動や塾、習い事などにかかる諸費用、これから中学・高校・大学と、なにかと教育費もかさむことが予想されます。将来お子さんが、万が一遠方の大学に進学した際には、下宿費や生活費の仕送りも必要不可欠となります。そのためにご夫妻は、住宅ローンのほか学資保険などに毎月特定の額を、子供たちの将来のための蓄えとして支払っています。
さらに子供たちは育ち盛りでよく食べ、食費は増える一方。また子供たちのお小遣いや携帯電話の通信費、親子で出かけるレジャーなどの遊興費など子供たちに掛けるお金の額は年々増すばかりです。
さらに、ご夫妻が将来年金生活に入ってからも、返済が当分続きます。急速に進む高齢者社会にあって年金がきっちりと入ってくる保障も不透明です。
このご夫妻は、返済額軽減型の住宅ローンの繰上げ返済をすることにしました。月々の返済額が減額されることで、多少なりとも月々の家計費に余裕ができます。
思い切って金融機関に返済額軽減型の繰上げ返済をしました。月々の元金ならびに利息の支払いが軽減されることになりました。ご夫妻は30年間のローンを負担のない範囲内で返済していくことになりました。
繰り上げ返済でのトラブル!
~繰上げ返済でのトラブルをレポートします~住宅ローンの繰り上げ返済でトラブルになった一例です。
あるご夫妻は、住宅ローンの定番ともいえる35年のローンを組みました。ご主人は安定した収入のあるサラリーマン。奥さんは専業主婦でした。月々の返済も滞ることなく、順調にローンを返済していました。ただし、将来年金生活になってからも、数年間はローンを支払うことになるので、借り入れてから2度にわたり200万円ずつの期間短縮型の繰上げ返済をしました。預貯金の残高はかなり寂しくなりましたが、その後も順調に月々の返済を滞りなく続けて、一家は幸せに暮らしていました。
その後、サラリーマンのご主人の転職を機に、暗雲が立ち込めてきました。ご主人の転職先の会社がまもなく極度の業績不振に陥ったのです。給与や頼みにしていたボーナスは、前の会社に勤務していた時の半分近くにまで落ち込みました。ご主人の給与やボーナスだけでは、生活やローンの支払いをやっていくことはかなり厳しい状況です。そこで専業主婦だった奥さんもパート勤務に出るようになりましたが、奥さんのパートでの収入では、食費やほんのささやかな身の回りの生活費にしか充てることができません。預貯金は、繰上げ返済を2度にわたり行った為、残額も少なくなっています。子供の学業や習い事、その他子供の将来のために蓄えている学資保険、ご主人の万が一のことを考えての生命保険の掛け金等々、月々の出費はぎりぎりの状態です。
ご主人の会社の業績回復を待つしかありませんが、見通しは不透明です。
仮に繰り上げ返済をしていなければ、預貯金を一部切り崩して、ご主人の給与や奥さんのパートの給与と合わせて返済にも充てられたのですが、預貯金は繰り上げ返済を行った関係で、手薄になっています。ついに月々のローンを満額返済できないギリギリの事態に陥ってしまいました。
そこで、金融機関に「繰り上げ返済で支払ったお金で、向こう数ヶ月間の月々のローンを支払ったことにしてくれないか?」と相談しましたが、繰上げ返済は毎月の返済とは一切関係ありません。したがって繰り上げたからといって金融機関は月々のローンの支払いに猶予はくれません。それではと「2度の繰り上げ返済で支払った金額を、やむをえない事態なので、期間短縮しなくても良いので返金してもらえないか?」と相談しましたが、もちろんそのような理論がまかり通るはずもありません。
ご主人も奥さんも、「住宅ローンの返済が滞ると、せっかく買ったマイホームを手放さなくてはならないのではないか?」という強迫観念にかられました。
特に奥さんは「一度でもローンの返済が滞ると、回収不能先として、ブラックリストに載る」という話も聞いたことがありました。
ご夫妻は話し合いを重ねた上で、金融機関に月々のローンの支払い額を低く設定して、減額してもらうように相談することにしました。仮にそれが認められても、月々の返済額が減る分、返済期間も長くなってしまいます。期間短縮型の繰上げ返済をしたことは、あまり意味がなくなってしまいました。
住宅ローン金利比較(新規・借り換えでの適用金利)
名称 | 表面金利(%) | 優 遇 条 件 |
保証料 | 事務 手数料 |
繰上返済 手数料 (変動) |
来店 | 疾 病 保 険 |
詳細 | ||
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変動 金利 |
10年 金利 |
20年 金利 |
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新生銀行 |
0.45 | 0.75 | 0.95 | なし ○ | なし ○ | ②契約事務手数料/保証料 借入金額がいくらでも55,000円~ ※ただし、変動金利<変動フォーカス>0.45%のみ、借入金額×2.2% | 無料 |
不要 ○ |
あり ○ | 詳細 |
住信SBIネット銀行 |
0.380 | 0.58 | 1.21 | なし ○ | なし ○ | 借入額の2.20%(税込) | 33,000円(税込) |
不要 ○ |
あり ○ | 詳細 |
りそな銀行 ※2020年3月 適用金利 |
0.429 | 0.60 | 0.90 | あり × | なし ○ | 33,000円(税込)+お借入金額×2.2% | 無料~33,000円(税込) |
不要 ○ |
あり ○ | 詳細 |
三菱UFJ銀行 |
0.475 | 0.64 | 2.84~2.99 | あり × | あり × | 33,000円(税込) | 無料~16,500円(税込) |
不要 ○ |
あり ○ | 詳細 |
×
優遇条件について
優遇条件がない場合、条件なく、表示金利で融資を受けることができます。
優遇条件がある場合、融資の優遇条件として「その銀行の預金口座を給与振込口座にする」「クレジットカードを作る」「投資口座を作る」などが必要 になります。
固定金利ならこちらの金融機関がおすすめ |
名称 | 金利 | 事務手数料 | 保証料 | 来店 | 金利 優遇条件 |
繰上げ 返済 |
詳細 | ||||
フラット35 | フラット35S | ||||||||||
15年以上~20年以下 | 21年以上~35年以下 | 当初5年 | 6~10年目 | 11年目以降 | |||||||
住信SBIネット銀行フラット35 |
1.03% | 1.12% | 0.78% | 0.78% | 1.03% | 借入額の0.99%(税込)~ | なし | 不要 | なし | 無料 | 詳細 |
楽天銀行フラット35 |
1.02% | 1.11% | 0.77% | 0.77% | 1.02% | 借入額の1.10% | なし | 要 | なし | 無料 | 詳細 |
ARUHI |
1.02% | 1.11% | 0.77% | 0.77% | 1.02% | 借入額の2.0% | なし | 要 | なし | 無料 | 詳細 |